故郷を想う

2020.11.25 ALL, 日々のこと

(雑記)

足を運んだ場所、
気に留めたこと、
幸せな気持ちとか
お買いもののこと
などなど。

 

 

わたしの生まれ育った街、秋田県男鹿市が舞台になった映画「泣く子はいねぇが」を観てきました。

 

よく知っている景色ばかりがスクリーンに映し出されて不思議な感じ。
秋田からの車での帰り道。
よく買い物に行く隣町。
実家からほど近いスポーツ店。市役所。

懐かしい景色に心を奪われながら、失われつつある伝統行事”なまはげ”のことについても考えさせられた。
男鹿の街は過疎化が進んでいて限界集落だと親から話を聞いたことがある。
確かにそこに暮らす若者は少ないし、子供もあまりたくさんは見かけない。
なまはげ行事を行わなくなる町内会があるというのも現実のこと。

小さい頃、大晦日の夕方になるとそわそわしてご飯も喉を通らなかった。
なまはげの声が遠くから聞こえてくるだけで恐怖に襲われたのも今でもよく覚えている。
なまはげが来ることを当たり前だと思って育って、高校に進学したときに知ったのはそれは男鹿の一部の地域のみで行われていたということ。

ユネスコの無形文化遺産に登録されてその存在がさらに注目されるようになって、わたしはなんて”特別(特殊?)な場所で育ったんだろう”と誇らしく思った。
遠く離れて住むわたしにはこうやって綴ったり誰かに伝えたりすることしかできないけれど、この昔から受け継がれる伝統文化を長く長く後世に残していって欲しいと心から願うばかり。

 

…と、なまはげから話を戻して映画のことを。

何にもない(と言ったら語弊があるかもしれないけれど)田舎で育って、その場所で生きていくってそれだけで結構大変なこと。
いろんなしがらみや人付き合い。逃げ場のない土地。
それでもみんな一生懸命に生きているし、生活をしている。
守っていかなければならないこと(伝統)、守るべきもの(家族)と向き合いながら。

劇中に出てくる「東京と男鹿じゃ流れる時間が違う」のくだりに深く頷いた。
わたしは何もない田舎に退屈して都会に憧れて上京したけれど、今も地元にいたらどうなっていたかな。きっと今とはまた全く違う人生だったんだろうな。
それはそれで今となってみては少し興味があったりもする。

大人になりきれない大人。
誰だってどこにいたってみんなどこかしらそうだと思うし、もがきながら足掻きながらその中で気付くことがあって少しずつ大人になっていく。
それでいいんだと思う。
そう思ってこの映画をわたしの中で消化させた。

 

小さいころ恐怖でしかなかったなまはげに大人になってからこんな形で泣かされるなんて。

地元愛からの贔屓目だけはなくって、ぜひたくさんの人に観てもらいたいです。

 

そして先日観てきた「アイヌモシリ」となぜか重なる部分もあって、どうやればこの大切にしていきたい伝統を残していけるのか、そんなことも考えさせられたのでした。

 

 

(個人的には木内デパートの紙袋の演出がツボでした!)

 

 

(いつかの男鹿の海、早く秋田に帰れる日が来るといいなぁ…)