旅の記録〈NAGANO〉

2025.07.01 ALL, 旅のこと, 日々のこと

(雑記)

足を運んだ場所、
気に留めたこと、
幸せな気持ちとか
お買いもののこと
などなど。

 

 

あの日の記憶に会いたかった。

 

アイスランドで見たHoltasóley。
アイスランドの国花であり、和名でチョウノスケソウ。旅の道中で日本でも咲いていることを知った。

昨年訪れた礼文島でも見れるらしいと聞き 探してみたけれど出会えず、、北海道だと大雪山、本州だと八ヶ岳で咲く情報を見つけ(あとから知ったのは白馬でも咲くらしい)、時期や場所を細かく調べていく。

自分には無謀かなと思ったけれど、横岳から硫黄岳を縦走する8時間日帰りのルートを選んだ。
時期は梅雨真っ只中、どうか雨よ降らないでと願う。

 

特急で清里まで行き、翌朝の早朝出発を見込んでレンタカーを予め借りておく。
朝3時に起きて、南八ヶ岳林道登山口から5時半にスタート。

山の朝は清々しい。
空気も光も朝露も緑の新芽も鳥の囀る鳴き声も すべてがきらきらしている。

 

花が全然咲いていないよ、でも地衣類もなかなかに可愛いな、などと思いながら樹林帯をひたすら歩くこと2時間。登り続けてようやく花がちらほらと顔を出しはじめる。
足取りも軽くなる。

 

「ミヤマカラマツ」

 

「マイヅルソウ」

 

「イワカガミ」

 


「ミツバオウレン」「イワカガミ」

「キバナノコマノツメ」

 

頂上に向かうにつれて雲が濃くなってくる。
あの雲を抜ければ…!
歩く歩く歩く。

 

あ、青い鳥!
変わった鳴き声だなと思い目をこらすとルリビタキを見つけた。
遠すぎてカメラのズームにもおさまらず…
青色がひときわ綺麗だった。

 

「コケモモ」

 

「ゴゼンタチバナ」

 

「ミヤマダイコンソウ」

 

「ハクサンイチゲ」

 

「キバナシャクナゲ」

 

たくさんの花々を横目に息も切れ切れ歩くこと1時間。
ようやく開けた三又峰。
視界の先の岩場に咲く白い花が 真っ先に目に飛び込んできた。

 

え!もしかして!
淡い期待を抱いて近づいてみると、あぁチョウノスケソウだ。

その場にザックを放り投げて、あちこち近づいてみる。

ここにも、あそこにも。
なんてこと、大きさも花びらの枚数も葉っぱの形も白い花は辺り一面ほとんどがチョウノスケソウ。

 

「チョウノスケソウ」

あの日の記憶が蘇る。

この小さな白い花はなんという名前なんだろう。
隣にはふさふさした果穂もあって、アイスランドのチョウノスケソウ(Holtasóley)は最全盛期を過ぎたくらいだった。

八ヶ岳のチョウノスケソウはおそらく今が一番というくらいに咲き誇っている。

やっと会えたね。

再会のうれしさひとしお。
喜びを噛みしめる。

 

 

そこからの横岳頂上から硫黄岳に向かう稜線にはたくさんの花々が咲き連ねていた。

 

「チョウノスケソウ」「イワヒゲ」

 

「チョウノスケソウ」「オヤマノエンドウ」

 

「オヤマノエンドウ」

 

「ミヤマシオガマ」

 

「イワウメ」

 

「ミヤマダイコンソウ」

 

「クモマナズナ」

 

「チョウノスケソウ」「ハクサンイチゲ」「オヤマノエンドウ」

 

「ウルップソウ」

見れたらいいなと思っていたけれど、見つけたのは咲き終わりのこんな姿。

 

「ヤツガタケキスミレ」「ウルップソウ」

 

硫黄岳に向かう途中。
自分は山と山を渡り歩いていることを実感する景色。

 

「イワベンケイ」

 

「ツクモグサ」

カメラのズームとピントが合わないくらいの崖っぷち遠くに咲いていたツクモグサ。
上向きに咲く、薄黄緑色のふさふさした見た目。
時期的にもうここにしか無さそうだった最後の花。
(足場が10cmくらいしかない岩場からハシゴに降りる不安定な場所で咲いていることを教えてもらい、撮影も命がけ…)

 

「コマクサ」

硫黄岳山荘手前の砂礫地で群生していたコマクサ。
まだ咲き始めで蕾が多かった印象。
今まで見たコマクサより花のピンクも葉っぱの緑も色が浅めでこれもまた綺麗。
こんな風が吹き抜ける場所で綺麗なピンクを咲かせるなんてさすが高山植物の女王。

 

「イワツメクサ」

 

「コケモモ」

 

 

振り返ってみると自分が思っていた以上にたくさんの花々に出会えていた。

山荘の方いわく、ウスユキソウはあと2週間後くらい、ツクモグサは年々咲くのが早くなっている、とのこと。
この季節は週単位でさまざまな花が変わるがわる咲くのだそう。

ついつい欲張りで見たい花を一度に見れるのはいつだろうと吟味してしまうけれど、きっと何度も足を運んで、何年もかけて、そうやって出会うからまたいいのかもしれない。
そして頑張って登った先にある特別な景色。

 

自分的には想像以上にハードさを感じた八ヶ岳だったけれど、今度は北八ヶ岳も目指してみたいし気になる山荘にも宿泊してみたい。

 

たのしみは少し先の未来にいくつもつくって。
またきっと違う景色に出会えることを夢見て。

 

 

 

 

– 山旅ついでの記録 –

 

 

清泉寮のソフトクリーム。

 

まきば公園のポニーちゃんたちは、午後のまどろみのなか。
お昼寝中。

 

誰かが添えたシロツメクサの花飾り。
可愛いね。

 

国立天文台 野辺山宇宙電波観測所、宇宙を感じてみる。