北欧を巡る旅路 _ 〈 旅の始まりは雨 〉

2018.08.01 ALL, 旅のこと, 日々のこと

夏の始まりに訪れた北欧のこと、記憶が鮮やかで鮮明なうちに旅路をぽつりぽつり綴っていきたいと思います。

旅の記録と記憶、心ゆくままに。

 

今回旅のおともにフィルムカメラとデジタルカメラを携えていきました。
フィルムは現像するまでどんな世界が映し出されているかわからないところ、フィルムにしか出せない色があるところが好き。
デジタルカメラは、自分の好きな構図を思いっきり狙って撮れるのが好き。「いい」と思ったその瞬間を間違いなく切り取れる、便利さの賜物です。

 

今回綴っていく日記はフィルムカメラのデータです。
あぁあそこの景色撮ってなかったんだな、肝心なところがぼけてる、全然撮れてない、そんな思い通りにいっていないところもまた完璧じゃなくって愛おしい。

デジタルカメラのお気に入り写真はまた別でアップするかもしれませんが、よかったらお付き合いください。

 

 

 

10年前に初めて北欧を訪れてそこから何度となく足を運ぶことになり、こんなにも同じ国を訪れることになるだなんて自分自身思ってもみなかった。

そこに住む人、街の雰囲気、自然、どれもが温かくって”また来たい”と思わせてくれる。
旅の終わりを名残惜しむように帰ってからもガイドブックを見ていると行ってみたいと思うところをまだまだ見つけてしまう。

わたしを魅了してやまないのが 空と緑の色。
あのなんとも言えない掠れたような淡い色と深い色の混じり合い。

美しさと素朴さを兼ね合わせた国々へ想いを馳せて、尽きない北欧への想いを抱いては次の旅をなかなか決められないでいた。

お店を始めてからは正直海外に行くまでの心の余裕はなくて。
それでも心のどこかにはずっとあって。
心境の変化や生活の変化、いろいろいろいろあって、きっと今の自分に必要、そう思って今回の旅を決めた。
そして兼ねてからの憧れの地、アイスランドに行くことも不思議とすんなり決めてしまう。

 

6月の終わりに日本を飛び出して、向かった先はスウェーデンのレクサンド。

お店でもお世話になっているSkantiqueさんとのご縁もあり「遊びにおいで」とずっと言ってくれていたのは彼女だった。

いろんな偶然やありがたいご縁に恵まれて彼女とは公私ともに仲良くさせてもらっているのだけれど、まだ知り合ってから3年ほどしか経っていないのに、同い年というのもあってかもうすっかり長いこと一緒にいたような感覚になっている。

 

旅は出発までのわくわくが一番たのしい。
あれこれ計画を立てて(そのときは必至だけれど)ガイドブックを見比べて。
始まった途端に終わりを考えてしまうのはわたしの悪いところなのだけれど、旅の始まりとともにすぐさびしい気持ちを抱きはじめる。
そう、それはもう飛行機に乗ったときから。

とは言え今回は13日間の旅。
こんなに長く海外へ行ったことも今までなかったし、さびしいと思うのにもまだ早い。ちょっぴりの緊張感も持ち合わせながらいざ出発。

 

フィンランドのヴァンター空港で乗り継いで、スウェーデンのアーランダ空港からレクサンドまでの移動は特急。
たいして英語ができるわけでもなく、理解できるわけでもなく、そんなわたしが思い込みでさっそく間違えたのは電車のホーム。
ストックホルム行き(向かいたい方向とは逆)のホームで電車を待とうとしていたのです。
なーんか嫌な予感がして、案内所でチケットを見せて聞いてみるとやっぱり間違い…

けっこう離れたホームを案内されて(空港のターミナルひとつ分違いました)、さぁこれでいつでも行けるぞと改札近くのベンチで休憩。
サンドイッチをのんきに食べて、意外と時間あるなぁと腕時計を見てふと携帯に目をやるとなんと出発の8分前!
そう、わたしは飛行機の中で腕時計の時間を合わせ間違っていたという大失態をしていました。。

改札からホームまでどれくらいあるかも分からない。急いでサンドイッチを飲み込んで、大きなトランクを2つ抱えて改札を猛ダッシュで通って、これがまたけっこう長いエスカレーターを下って(さすがにここはトランク2つじゃ歩けない…)、もうどきどきしながらホームへ到着。
意外とちょっとの余裕をもって電車が到着。ほっ。
ただ、ホームから車両までは幅の狭い3段の階段。
これまた荷物をあげるのに苦戦して、1つ荷物が置き去りになったらどうしようとハラハラ。
なんとか電車には乗ったけれど、今度は自分の座席の車両から一番遠いところへ乗ってしまったことに気付く。
ああ、もう、荷物持って移動できないや。。
ちょっと不安はあったけれど北欧の人々を大いに信頼して、乗り込んだ車両に荷物を置いて座席へ。
こんなてんやわんやから旅が始まったのです。笑

 

無事レクサンドに到着したのは夜21時過ぎ。
夏至を迎える北欧の夜はまだまだ明るい。

荷物はちゃーんとそのままの状態で置かれていて、
小雨の降りしきるなか、駅までSkantiqueさんと友人のまきさんと彼氏さんが迎えにきてくださいました。
知ってる顔を見れたことにホッとする。

Skantiqueさんの飼い猫リーサに初めましてのご挨拶をして、みんなでわいわいお喋りをしながら夜が更けていく。(と言っても明るのでついつい時間を忘れてしまう、23時で日本の夕方くらい)

夜更けにはいつものお散歩コース、近くの湖まで。
小雨が降っていたので早々に切り上げて帰宅。

すこし肌寒い雨が降るレクサンド。
「旅の始まりの雨はきっといいことがあるよ」、そう言ってくれたSkantiqueさんの言葉がわたしの旅のスタートを後押しする。

ふかふかのベッドが時差ぼけの身体を包み込む。
あっという間に眠りに落ちる。

 

翌日は夏至祭。
そう、ずっと長年この目で見てみたいと思っていた行事。

夏が短い北欧の人々は夏が来ることを夏至祭で盛大にお祝いをします。
特にレクサンドの街は大きな夏至祭があることで有名らしく、全国から人が集まるのだとか。
街はたくさんの人に溢れてお祭りムード一色。

この日は雨が降ったり止んだり、変わりやすいお天気。
晴れたと思ったら小雨がぱらついたり、夜は上着に巻物がないと寒いくらい。
夏至の日は毎年そうなのだそう、お天気が不安定で寒いことが多いのだとか。

その日も朝からわたしたちはお喋りがノンストップ。笑
久々に会うとこうも話したいことが山盛りになるんだなと思うくらい、いろんな話が行き交う。

待ち合わせの時間を気にしつつ、夜からの本番に向けて午後からは子供の夏至祭。
道ゆく人々がかぶっている花冠が可愛くって、いいなぁなんて言っていたら「つくろうよ!」という話に。

道端の花を摘んでせっせと編む。
ちいさいころにつくった記憶、手が覚えている。


(わかりづらいけれどつくった花冠、色とりどりの花に心が躍る)

日本ではなかなかもうかぶる機会はないけれど、ここならと張り切ってかぶる。
女子三人、自然と笑顔。

おじいちゃんもおばあちゃんも、おじさんもおばさんも、若い男の子だって、この日ばかりはみんな花冠を纏う。
不思議だけれどその光景が平和そのもの。

調べてみると、この日にかぶる花冠は1年間の健康が約束されるのだとか。

子供の夏至祭はとにかく可愛くって。

ちいさい子たちが民族衣装を纏ってパパやママに手をひかれてる。
小さな輪になってみんなで歌って踊って。小さめのメイポールが立ったら(夏至祭のメイン行事)大きな拍手。


(夕刻の空、スウェーデンの国旗と白いお月様)

そのあとはご近所のパーティに参加させていただいて、たくさんのおもてなしを受けました。
サーモン、新じゃが、ルバーブのパイ、どれも美味しくて美味しくて。(お腹が時差ぼけであんまり食べられなかったのが残念だったけれど… 涙)

歌に合わせてショットグラスで一気呑みをする、スナップスというスウェーデンのお酒を初体験。これがまた強いこと強いこと。
歌っては呑んで、歌っては呑んで、みんな一層賑やかに。

ひとえにスナップスといってもいろんな味があって、ベリーの色がついたスナップスが特に美味しかった。買ってくればよかったなぁ。。

 

そんなパーティも束の間、夏至祭の本番が始まる!ということで慌ててみんなで出発。
当たり前のようにスポーンコリ(カゴ)にお酒やスナックやブランケットを詰め込んで、会場へ向かう。

夏至祭のスタートの川から登場するシーンはぎりぎりしか見れなかったけれど、大きな広場にたくさんの人が集まって、掛け声で少しずつ上がるメイポールを見守りながら、最後に本当にたくさんの大人たちが輪になって踊る姿はとにかく圧巻。
みんな陽気でみんな笑顔で、とにかく幸せが溢れて溢れてこぼれてしまっているじゃないかってくらい。
見ているこちらまで思わず笑顔になってしまうひとときでした。

この踊り、スウェーデンの人ならちいさいころに誰でも踊った踊りなのだそう。
簡単な踊りだからいつのまにか見ているだけでも覚えられて、次は輪に入って踊れそうな気が 笑


(無事に立ったメイポール、地域で飾り付けもモチーフも様々)


(とにかく寒かったけれど、「夏が来たよー」と夏を告げるようなきれいな空を一日の最後に見れたことがうれしかった)


(橋を渡って帰る 帰り道、夜22時くらい)

 

この日の夜もお喋りで更けてゆく。

 

 

つづく